還元反応
Ⅰ.要旨
ベンジンに水素化ホウ素ナトリウムを加え、還元反応させてヒドロベンゾインを生成させた。この時の収量は0.4045[g]。収率63.0[%]。反応が完全に進行しているかどうかは薄層クロマトグラフィーを用いた。また、融点測定(133~135[℃])とH-NMR(p.)を用いて反応物がヒドロベンゾインということを確認した。
Ⅱ.目的
ベンジンから還元反応を行い、ヒドロベンゾインを生成する。
Ⅲ.原理
水素化ホウ素ナトリウムは水素が分離する、つまり他の物質に水素がくっつくため強い還元性を持つ。このため、還元したいものを一緒に入れとけば還元反応は容易に起こる。ここで、還元とは炭素の電気密度が増大するような反応である。通常、炭素と電気陰性度の小さい原素が結合するか、大きい原素との結合が切れるかどうかである。本実験は前者である。
4R2C=O+Na+BH→(R2CHO)4BNa
(R2CHO)4BNa+2H2O→4R2CHOH+NaBO2
Ⅳ.実験準備
試薬
ベンジン(Benzil)
トルエンの側鎖から水素を1つ除く。MF=210。黄色柱状晶。融点95℃。沸点346~348[℃]...