電解重量分析法による銅の分別定量
要旨
目的
定電位電解装置を用いて溶液中の銅(II)とニッケルの分別定量を行い、電気分解および電解重量分析法の原理を学ぶ。
原理
金属イオンを含む溶液中に陰極と陽極および参照電極を入れ、その金属イオンの酸化還元電位よりもマイナス側の電位をかけると陰極表面に金属が析出する
(M^n+ + ne^- →M)。したがって酸化還元電位が互いに十分離れている金属イオンは、電解によって分離定量することができる。すなわち両イオンの酸化還元電位の中間にある一定電位において電気分解を行えば、酸化還元電位の値が大きい(よりプラス側の)キンゾクイオンが析出して、酸化還元電位の値の小さい(よりマイナス側の)キンゾクイオンは析出しないので、両イオンの分離が可能となる。そして電着した陰極の重量増加から、溶液中に存在した金属イオンの重量を求めることができる。
実験方法
装置
表A-1使用する装置
定電位電解装置(ポテンションスタット) 電解ビーカー(300 cm^3 ビーカー) 参照電極(SSCE) 白金電極(網状とらせん状の2種類) マグネチックスターラーと攪拌子 銅線電極 電...