「精神療法及び環境・社会療法について述べよ」
精神疾患に対して行われる治療法としては、身体療法と、精神療法、及び環境・社会療法と精神科リハビリテーションに分けられる。身体療法は薬物療法や、電気けいれん療法など医師のみが行うことのできる身体医学的手法によるものである。精神療法及び環境・社会療法は、医師以外にも行う事のできる人文科学的手法によるものである。精神障害の発症や経過には、患者を取り巻く環境や社会の影響が大きく関係してくることが知られてきており、病状の悪化や再発を防止するためにも患者の周囲の人間関係や生活環境をも含めて働きかけ、患者自身の潜在的な問題解決能力を高めることが重要となってくる。そのため近年では身体療法と同時に精神療法及び環境・社会療法が行われるようになってきた。以下に、精神療法および環境・社会療法について述べる。
1. 精神療法
精神療法とは精神医学的治療のひとつで、言語的非言語的な対人交流を通して精神的な問題を解決し悩みを軽減することを目的とした精神医学的及び心理学的治療法である。精神療法が重要な役割を果たす場合は、不安障害や神経性障害、うつ病性障害、パーソナリ...