哲学概論 第1設題

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    テキストを読み進む内に生じる自分なりの疑問、批判を明確に述べよ。
     最近テレビを見ていると、雑然とした知識が在るかどうかを競い合う番組にしばしばであう。そこでは、脈絡のない知識と呼ばれるものを知っているかどうかを競い合っているわけだが、本来、知識とはそのように体得される類のものであろうか。この知識をどれだけ積み重ねられれば、「いかに生きるか」、「人間とは何か」、「そもそもこの世界とは何か」などのより深い疑問の解決へとつながることができるのであろうか。このような事態は、もしかしたら、アテネの古代民主政がソフィスト達のあれこれの思弁によってその本質を見失ってしまった様子と重なるのではないかと考える。
     ソクラテスは、世界の原因を水や空気に求める自然哲学的研究をやめて、人間の生き方に思索を転じ「哲学は良く生きるための智慧である。」と語るにたった経緯を二つの理由によって説明している。一つは、世界の原理が地・水・風・火の四元素だという知識は、なんら検証・証明されるものではないという点において。もう一つは、世界の原理についての知恵は人間の本来的関心事である人生の目的、個人としても市民としても良く生...

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