企業情報システムの基本概念の変遷をコンピュータのハード・ソフトウェアの発展と関連させて論述せよ
1960年代、一般企業へコンピュータが導入されるようになった当時に、企業情報システムに対してよく使われた言葉がEDPSであり、コンピュータを用いた事務作業の統合的機械化を目的としていた。
それ以前の機械化、効率化が個別作業の機械化という範疇で進められてきたのに対し、一連の作業をコンピュータ中心に統合し、機械化することを目指した企業情報システムがEDPSであった。これは階層型組織の観点から見直せば、作業職能を効率化するために作業者的発想で作られた、作業者層のための情報システムといえる。EDPSが実現できたのは、コンピュータの大型化、高性能化が進んだからである。EDPSのデータ処理形態は、大型機をセンターに設置して全社の情報処理を一括して行うセンターバッチ処理、また、支社や工場単位にも中規模程度のコンピュータを設置して、各部門後ことに処理を行うローカルバッチ処理であった。
EDPSに続いて企業情報システムの世界で脚光を浴びた概念が、1960年代後半から70年代にかけてのMISである。階層型...