いわゆる「近代市民法」について論じなさい。
1、近代市民法とはヨーロッパにおける近代市民社会の形成にともなって生まれ発展してきた法をいう。
近代以前の中世、近世ヨーロッパはいわゆる封建国家であり、絶対主義国家であった。つまり、農民、商工業者、武士、僧侶などそれぞれの身分は原則として固定しており、これら上に封建領主や絶対専制君主が絶対的な支配権を握って君臨していた。このような社会の経済基盤は農業生産にあったが、資本主義的な経済関係が発展するにつれて身分にしばられる社会とそれを支配する国家が否定されていった。こうした中、経済的な蓄えをしてきたブルジョワジー(市民階級)は、人間の自由と平...