刑法(総論) 罪刑法定主義

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    罪刑法定主義について述べよ。
     罪刑法定主義とは、行為が犯罪として処罰されるためには、その行為が行われる以前に、法律で、その行為を犯罪とし、かつ、それに対応する刑罰の種類・程度が定められていなければならないとする原則で、「法律なければ犯罪なく、刑罰なし」という標語で表される、近代刑法の基本原理である。また、罪刑法定主義は、刑法の持つ「法益保護機能」と「人権保障機能」の矛盾に対し、人権保障機能を法益保護機能に優先させることによってその矛盾を解消する役割を果たしている。
     歴史的には、不文主義をとるイギリスのマグナ・カルタにさかのぼり、アメリカの独立宣言、合衆国憲法修正5条に結実し、成文法主義をとるヨーロッパでは、フランス革命、ナポレオン刑法典を通じて諸国に広く導入された。わが国においては、旧刑法2条に採用されて以来、現行の日本国憲法は、31条で、「何人も、法律の定める手続によらねば、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその刑罰を科せられない」、また、39条では、「何人も、実行の時に適法であった行為又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問われない」として罪刑定主義に関する規定をお...

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