『法の下の平等について』
はじめに
法の下の平等は現代の法律、ひいては日本国憲法において非常に重要な位置を占める概念である。日本国憲法の実際の条文に即して見てみると、14条1項(一般的平等原則)、同2項(貴族制度廃止)、同3項(栄典授与の特権性否定)、15条3項と44条(選挙権の平等)、24条(家族生活における男女の平等)、26条(教育の機会均等)などがある。これらの条文が目標とする「平等」とは実際どのようなものなのであろうか。平等と自由はいかなる違いがあるのか、平等の観念はどのような変遷を経てきているか、憲法における平等と実際の法律との関係はどうなっているのか、このリポートではそういった様々な論点に触れつつ、法の下の平等について俯瞰してみることとする。
自由と平等
近代の社会的革新や近代法の成立の過程において平等と並んで大きな役割を果たした概念が自由である。現代の法律にも当然これらが含まれており、国民の幸福に資するための両輪として活用されている。一般的にこれらは似たような概念と考えられがちであるが、二者の間には明確な差異がある。『旺文社国語辞典 改訂新版』によれば、自由とは「➀他から...