まず、豊かな言語感覚ということであるが、太田論氏、二階美幸氏は『言語感覚を豊かにする授業Ⅲ』において、言語感覚が豊かであるということは、①自分(達)の考えを明確に伝え(合え)たり、(相互に)説得力のある意見を述べることができる。②話し手・書き手の言いたいことが伝わり、自分の見聞を広めることができる。③漢字の読み書きができる。④語彙を増やすことができる。⑤言葉どうしのつながりや言葉のきまりにきづくことができる。⑥学習事項を言語生活に生かすことができる。という以上の6点を挙げておられる。
そもそも言語感覚とは『新訂国語教育指導辞典』によれば、「言語感覚とは、表現・理解の言語行動における音声・文字・語彙・文法等の言語、あるいはその使い方に対する主体の感覚である。」とされているように、個人がもつ個性として考えることができる。そして言語感覚というものは、表現、理解、あるいは国語科指導要領に従えば、「話すこと」、「書くこと」と「聞くこと」、「読むこと」と大きく2つに分類できるのではないだろうか。表現することも、理解することも、知識がなければ上手に行なうことができないわけであるから、漢字の読み書...