1.法人とは、自然人以外のものであり、法律によって、権利・義務の主体となることが認められているものをいう。民法33条)
法人に権利能力を付与する理由として、一つは、目的達成の便宜のためであるといえる。 つまり、ある目的のために集団を作って活動するという場合、その集団のメンバー全員の名義で取引をするのは煩雑である。
そこで、団体そのものに権利能力を与えて、団体が直接取引をすることを認める必要がある。また、場合によって団体には、単なる集合体を超えて、団体独自の意思を認めるべき場合があるし、ある財産が団体のものであるとしかいえない場合もある。このような団体に権利能力を与えるのはふさわしいといえる。
2.しかし、権利能力を与えてよいぐらい団体独自の意思・財産があるとしても、法律が要求する条件を満たさない限り、権利能力は認められない。団体としての実体がありながら、権利能力が与えられていない団体は、
学友会、同窓会、スポーツの愛好会などが挙げられる。これを権利能力なき社団という。つまり、権利能力なき社団とは、実質的には法人格のある団体と同じような活動をしているが、法人とはなっていない団体を...