民法3 第1課題
(1)不真正連帯債務
多数の債務者が同一内容の給付について全部履行すべき義務を負い、しかも、一債務者の履行によって全債務者が債務を免れるという点では連帯債務と同様である。しかし債務者間に緊密な結合関係がないため、一債務者について生じた事由が他の債務者に影響を及ぼさず、求償関係も当然には生じないという点で連帯債務と区別される。このような多数当事者の債務関係をいう。
具体的(判例)としては、法人の不法行為責任における法人の賠償債務(44条1項)と理事その他代表者の賠償債務(709条)、使用者責任における被用者の賠償債務(709条)と使用者の賠償債務、数人の共同不法行為者が負担する賠償債務(719条)がある。
(2)責任財産保全制度
近代的債権関係においては、債務の履行は債務者の自由な意思に委ねられ、債務者はその所有する財産を自由に管理することができるのが原則である。しかし、債務者の資産状態が悪化したような場合にまで、無制限にこのような自由を認めると、責任財産が消滅・逸出して債権者の地位は著しく不利になる。そこで民法は、債権者保全制度として一定の場合に、債...