「ある家族の会話」を読んで

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    資料紹介

    『ある家族の会話』は、イタリアを代表する作家、ナターリア・ギンズブルグの自らの家族の人々の半生を、非常に冷静な視線で描いた自伝小説である。
    ユダヤ人でブルジョア知識階級の家庭に生まれた末っ子のナターリア。
    話はいたって明快でタイトルそのままの通り、作者が自分の家族について会話文を中心に書き綴っているものだ。どこの家にも家族内でしか通じない話というものがあるし、そんなものは他人が読んでも面白くないと思われるかもしれないが、これが抜群に面白い。

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    『ある家族の会話』は、イタリアを代表する作家、ナターリア・ギンズブルグの自らの家族の人々の半生を、非常に冷静な視線で描いた自伝小説である。

    ユダヤ人でブルジョア知識階級の家庭に生まれた末っ子のナターリア。

    話はいたって明快でタイトルそのままの通り、作者が自分の家族について会話文を中心に書き綴っているものだ。どこの家にも家族内でしか通じない話というものがあるし、そんなものは他人が読んでも面白くないと思われるかもしれないが、これが抜群に面白い。

    その魅力は大きく2つ。1つは両親と5人のこどもの、イタリア人らしさを凝縮、集結させたような独特で愛すべきキャラクターである。

    大学の解剖学の教授でありながら、気が短く頑固で、いつも何だかピントがずれたところで怒っていて読み手の笑いを誘う、父ベッピーノ。おしゃべりばかりに時間を費やしながらも、友人にすぐ飽きてしまい、きちんとした人間関係を保てない、天真爛漫な少女のまま大人になったような母リディア。

    そして個性豊かな4人の兄弟。周囲の人間を動物、植物、鉱物に分ける遊びを考え出すような長女パオラ。勤勉で読書家、性格も穏やかだが、パンの食べすぎで...

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