「教育を受ける権利について、最高裁判所のいわゆる旭川学テ判決を参考にしながら、論述しなさい。」
教育学の世界においては、教育とは非権力的な行為であると捉えられることが多く、教育を法的側面から考えることをあまり意識していない。しかし、日本国憲法第26条によると、「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。」「すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負う。義務教育はこれを無償とする。」と明記され、教育は「権利教育」と「義務教育」の2つの法的側面からみることができる。
それでは、この「権利教育」と「義務教育」の教育権の主体と教育内容の決定権は、一体どこに置かれるのだろうか。
学校教育のあり方を考える場合、教育の主体は、学校、家庭(保護者)、地域社会の3つに置くことができるとされている。この三者間で、適切な役割分担を行い、相互の連携を強化することが重要である。しかし、地域社会は学校や保護者と比べると、感覚的で曖昧な存在であり、実体的な意味をもたない。そのため、学校と保護者の関係をどう捉えるかが...