小児は生命の維持のためだけでなく発育、成長のための栄養も考えて食事を採らなければならない。また小児は成長にしたがって必要となるエネルギー量が多くなっていくのでそれに合わせて食事栄養の内容も考えていかなければならない。小児は成長にしたがって食べ物の形状が変化していく。生後間もない乳児、生後五ヶ月頃の乳児、一歳半頃の幼児、三歳頃の幼児、五歳頃の幼児と大まかに区分けすることができ、乳児期の食事は母乳や人工乳が一般的な栄養として与えられ、生後五ヶ月頃からドロドロとしたおかゆ状の離乳食が食事として与えられ次第に食物の硬さや量、種類が増していき、幼児食でもある固形食形態に達していく。三歳頃の幼児は乳歯が生えそろいある程度の咀嚼が可能になる。乳歯の生えそろう時期や咀嚼能力は個人差があり、それにより消化しやすいように調理することに注意が必要である。
幼児期における栄養、食事というものは生涯を通じた食生活の基盤を形成する時期であると共に、幼児の身体成長、精神発達も著しい。幼児の身体特徴として、成人に比べると消化器官が未熟なため一度の食事量が少ないにも関わらず、運動機能や社会性の発達に伴い行動範囲が広...