身体発達は遺伝的素質と環境によって影響するものである。どちらが重要な要因であるかは決め付けることが出来ず、両方とも発育にとって不可欠な要因である。この「環境か遺伝か」という二者択一的な考え方はそれ自体むりなものであるとシュテルンは遺伝も環境もどちらも発達を規定する要因であるとする輻輳説を提唱したのは有名である。よって身体発達を遺伝的なものと環境の二つに分けて考えていく。
身体発育に影響する一つの因子として遺伝によるものが挙げられる。遺伝は先天性の因子であり、遺伝によって規定されているものは人種や性別、体型などの身体的特徴から性格や気質などの精神的特徴まで幅広い。人種は特に肌の色という身体的特徴に現れて黒色、白色、黄色と大まかに三種類あり国や地域によってある程度まとまって分布している。人種によって肌の色だけでなく筋肉の質や視力の良さなどの機能面においても特徴が見られる。
次に性別であるがこれは男性、女性と二つに分けられて男性は発育に従って筋肉質でがっちりした体型、背が高くなり、体毛が濃くなっていくなどの身体的特徴が見られ、それに対して女性の方は丸みを帯びた体型になり、体毛が薄いなど...