19世紀における西洋社会学の中核には

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    19世紀の西洋社会学における“秩序”
    19世紀における西洋社会学の中核には、法による国家と市民との関係、また、その背景には“秩序”という意識がいつも念頭に置かれていた。

     中世社会では、教権と王権が対立する中で、社会の秩序の源は神にあった。神の教えを利用して階層序列の意味づけを行うのが中世の社会思想に当たる。マキャベッリの場合は、『君主論』において、世界を可視的なものととらえ、神の意志に代わって王、すなわち世俗的な権力の意志がこの世に秩序を作り出すのである。つまり、王の意志により世界が秩序づけられていた。当時の社会学は、人々の行為を強制する隠された背後のある、匿名の、無意識な力を解明することに努めていた。

     そして、ホッブスとロックの登場により、近代自然法思想という概念が確立された。そしてロックは、国家や君主は秩序の創始者でないとした。秩序は、自然とともに、自然状態において存在し、社会契約はこの秩序を維持する力を生み出すためのものである。国家は自然な秩序の守護者として位置づけた。

     また、アダム・スミスは中世の可視的な世界観に対して、不可視な世界にも秩序が存在すると考えた。それを...

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