08808 図工科指導法 第2分冊
略題≪鑑賞教育≫
本作品を選んだ理由の第一点には、水彩画の身近さによるところが大きい。道具としてはペンと水彩絵の具を使用した作品であり、これは高学年の児童が学校の図画工作の時間にも頻繁に使用する素材である。特別な素材を使うのではなく、身近な素材でも本作品のような作品ができるということを感じて欲しいと考えた。
また本作品の作者である永沢まこと氏は、世界中を旅しながら絵を描き続けており、彼の作品からはその場その場の楽しさが伝わってくる。本レポートで掲載する作品は一点であるが、できるなら彼の個展や作品集などで、できるだけ多くの作品に触れてもらいたいと考える。そのことによってより絵を描くことの楽しさが伝わっていくることは間違いないであろう。
これらのような身近さや楽しさによって児童が、絵画やその他の美術をより自分に即したものに感じ、興味を持って「自分もやってみよう」というような創作意欲に繋がっていくことを期待して、今回は本作品を選らんだのである。
本作は、永沢まことが1991年に、わずか4時間で描きあげた作品である。彼は、日本でアニメーターとして活躍...