現代の社会問題とその反映
~『千と千尋の神隠し』を考える~
はじめに
現代日本は様々な社会問題を抱えている。時代が進むにつれて科学技術は発展し、便利な世の中になっていったが、その反面かつては存在しなかった社会現象を生むこととなった。そしてその問題は宮崎駿監督の映画「千と千尋の神隠し」の中でも多く語られている。本稿ではこれらの問題を映画「千と千尋の神隠し」のストーリー、登場人物などと比較しながら考察したいと思う。
Ⅰ ニート問題
ニートとは英国政府が労働政策上の人工の分類として定義した言葉で「Not in Education ,Employment or Training」の略語であり、日本語訳は「教育を受けず、労働をおこなわず、職業訓練もしていない人」となる(ただしこの訳は日本におけるニートの意味とは多少異なる)[注1]。フリーターとは違いアルバイトもしないため、完全に親が得る収入のみで生きている。なぜニートが社会問題になりうるのか、問題点を一つずつ挙げていきたいと思う。
まず、ニートは働いていないため、所得税などの税金を納めていない。また、親と同居しているので新しい家電製品な...