~プラトンの国家について~
講義名:プラトンの『国家』について~洞窟の比喩を中心に~
選択講師:宮崎 文典
国家という存在を考える上で、本講義で取り扱われたプラトンの思想を今回考察してみたいと思う。プラトンは国家を考える上で「理想の国家」と「人間のあるべきあり方」を提示していた。まず「理想の国家」だが、これは配布資料にも見られた哲人王の考えがまさにそれだと思われる。すなわち、哲学者たちが国々の王となり統治を行う、もしくは権力者と呼ばれている人たちが真実にかつ十分に哲学をする国家、つまり政治的権力と哲学的精神とが一体化され、多くの人々の素質がこの二つのどちらかの方向へ別々に進むことを強制的に禁止するあり方である。主権のあり方として現在では二つの形態が主にあげられる。一つ目は少数の権力者が大衆、民衆を統べ、国家を運営していくというものであり、もう一つは大衆、民衆自体が国家の統治権利を有し、国民の考えをそのまま国家の活動に反映させ国家を運営するという形だ。後者は一般的に民主主義、デモクラシーと言われる形態であろう。しかし(話にきくところ)プラトンはこのデモクラシーには否定的は意見を述べてい...