『青空』Georges Bataille Le Bleu du Ciel
Ⅰ Georges Bataille Le Bleu du Ciel『青空』を読んで。
アンリは、酒と女の日々を送っている。しかし、妻であるエディットと子供2人はイギリスにいる。なぜか、妻の母親である義母が同居して、身のまわりの世話をしている。そうであっても、金持ちで泥酔して異常な行為に走る美人のダーティー、労働者問題に熱中するラザール、従順で常識的なグゼニーらと次々に関係を持っていく。さらに、町の女にも手を出しているらしい。INTRODUCTIONは、ロンドンでのダーティーとの酒びたりの日の醜態と係わりから始まる。この話のはじまりから、異常・異様な二人の関係が刷り込まれる。酒によってのみ、この異常性を作り上げているのではないことがわかる。しかし、酒は、登場する女性たちとの係わりのなかで、種類や飲み方、量などが語られ、その時々の状況をうまく表わすのに寄与している。
アンリが、ソフトドリンクを飲むのは、ミルクコーヒーを注文した一度だけである。
アンリは、ダーティーと飲み明かしたり、一人で飲み歩きながら早朝を迎えてしまうなど、その生活ぶりは、作者がAVANT-PROPOSの中で語っているよ...