Ⅰ はじめに-動機について-
私は、大学の卒業が迫り、これまであまり真剣に考えていなかった就職を意識するようになったとき,ニュースやテレビの特集番組において取り上げられていた新卒大学生の就職難問題について関心を持つようになった。
その中で取り上げられていたのは,卒業間近になっても就職先が決まっていない大学生や、就職浪人を覚悟して大学を卒業していく若者達である。
確かに、日本では長引く不況の中で起きたリーマンショックやギリシャ問題などによって、企業の経営が順調でない中ではある程度仕方が無いことかもしれない。
しかし、日本を始めその他の先進国では、何度も好不況を繰り返し、その原因と対策についての蓄積があるにもかかわらず、多くの国民が不況によって不幸に追いやられている現状を見ると、仕方が無いという言葉だけで片付けることはできない。
そこで、就職難の原因がどこにあるのか。その就職難で正規雇用されなかった者たちの将来にはどのような状況が待ち受けているのか。
また、すでに大学等を卒業し、社会に出て仕事に就いているか又は仕事を探している人達はどのような状況に置かれているのか。
さらに、私が大学での...