「新学習指導要領で力説してある『ガイダンスの機能の充実』について特別活動に焦点を当てて述べよ。」
1.ガイダンス機能の充実の意義
1998(平成10)年及び1999年の学習指導要領の改訂で、「ガイダンス機能の充実」がはじめて示された。ガイダンスとは、一般的に生徒が環境や社会の変化によりよく適応し、その個性や能力を最大限発揮できるように導く教育活動であり、社会的自己実現への主体的な取り組みを促す指導・援助である。
ガイダンスの原点にあたるのは、20世記初頭のアメリカで盛んとなった職業訓練、精神衛生運動、教育指導、社会性指導などが始まりとなる。我が国でガイダンスの理論が紹介されたのは大正末から昭和初期であるが、これらが大きく導入されたのは第二次世界大戦後である。
ガイダンスは、日本語では指導、補導、教育指導、生徒指導、生活指導、進路指導などととらえられ、その機能や活動場面が幅広く考えられてきた。
また、近年では我が国においてガイダンス機能の充実が重要視されてきている。その背景として「個性重視の教育推進に伴う選択学習の拡大」や「進路の多様化」の中で生徒一人ひとりが目的意識をも...