「今後の社会変化への対応を考慮した家庭科の学習について述べよ。」
1.はじめに
現代の社会は急速な変化をし続けており、複雑かつ多様化している。このような社会の中で生きていく子どもたちにとって、家庭科の学習は今後どのように展開していけば良いのだろうか。1998年教育課程審議会の答申では、「わが国は、国際化、科学技術の進展、環境問題への関心の高まり、高齢化・少子化など社会の様々な面での変化が急速に進んでおり、今後、一層厳しい変化が予想される」と述べている。さらに、社会の変化に伴い家庭も変化してきている。例えば、女性の社会参加や少子高齢化の社会などの問題が挙げられる。
また、子どもたちを見ると、買い物や掃除など、家の手伝いをしたことが殆どないという子どもが60%余りいるという実態があり、日常での生活経験が乏しくなってきているのが見られる。このような社会変化の中において、主体的・創造的に生きていくためには、自ら考え、判断し行動できる資質や能力の育成を重視していくことが特に重要である。
そこで、現代を生きる子どもたちにとって、家庭科の学習とはどうあるべきなのか、いくつかの視点から考察...