民法1 第1課題 2010 合格レポート(A評価)
成人の意思能力と行為能力の違いを説明しなさい。
民法では全ての人に対して平等に権利能力を認めており、これを権利能力平等の原則という。権利能力を認められた者は自然人として権利を取得し、義務を負担することができる資格が与えられている。民法では、権利能力は明文により規定されているものではないが、フランス法にならって「私権の享有」という表現がなされている(3条1項)。
私たちが生活するうえで、意思表示をすることにより法律行為を行うことができる。そのような自分の行為の結果を弁識し判断することができる能力を意思能力と呼ぶ。意思能力のない者は意思無能力者と呼ばれ保護されている。例としては重度の精神病や泥酔者が挙げられる。私的自治の原則から、法律行為が有効であるためには、有効な「意思」に基づくものでなければならない。そこで、明文で規定されてはいないが、意思無能力者がした法律行為は無効であるとされるのが通説であり、判例においても認められている(大判明治38年5月11日)。ただ、自らが意思能力を欠いていることを証明し、自分の利益を守ることは容易...