図画工作科の学習指導において、「楽しい授業」、「わかる・できる授業」は、どのようにして構築されるのか、自分なりに両者を定義づけて述べなさい。その際、手段的美術教育論およびそれへの批判との関連づけを行うこと。
美術教育は、美術表現の様式や技法の取得、あるいは美術を理解するために必要な知識の獲得を目的とする「美術の教育」ではなく、美術のもつ教育的な意義に着目し、美術の活動を通じて、人間形成を図る「美術による教育」でなければならない。美術教育において、早くから個性の尊重や創造性の育成がさけばれ、従来の知識や技術を注入し、訓練するような伝達型の指導を批判してきたが、現実には、作品の出来映えを高めることばかりに目を向けた作品主義的な指導や、教師の「描かせたい」絵を、子供を使って描くような指導がなくなったとはいえない。逆に、誤った心理主義に基づく解放主義にとらわれ、自由な表現活動といいながらも放任放縦している指導も少なからず見られる。
では、子供達にとって「楽しい・わかる・できる」授業とはどういったものをさすのか。それを一言で定義するならば【自分の表現したいこと(理想)を、自分の表現したいように...