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はじめに、今日の児童はいじめや不登校、家庭問題など多くの問題を抱え、学校における教育相談がより一層の重要性を増している。本稿では、教育相談の各段階について説明し、それぞれの段階における教員の児童理解のあり方を検討したい。
まず、教育相談とは、学校における集団生活の中で児童がもつあらゆる問題を教師が対応することである。学校の諸問題について、日ごろから第一次的予防「啓発」によって児童の意識を高めておくことや、事態が発生するまえに解決に向かう第二次的予防「予防」、また実際に困難な状況が起きてから第三次的予防「治療」の三段階で対処が求められる。
「啓発」とは、日頃から児童の心が健全に育成され、また教育プログラム等を用いて諸課題の周知徹底を図ることで、トラブルがおこりづらい土壌を作るように取り組むことである。望ましくない状況を作らないために第一に、児童を取り巻く日常生活が円滑に進むように配慮することと、第二に児童のトラブルの解決スキルの向上が必要になる。
前者については、学校生活全体の活動や、また道徳、特別活動の授業や朝の会を使って、思いやり・やさしさ・人権尊重・正義感・社会貢献の精神が育...