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第1課題 いわゆる「近代市民法」について論じなさい。
いわゆる「近代市民法」を論じるにあたり、それが何か、またその規範原理、更にその修正、という3点に論点を立て分けて考察する。
近代市民法とは何か
(1)市民社会とは何か
中世封建制においては王制が敷かれ、国王・領主・家臣等により権利が支配されており、資本主義社会はほぼ存在していなかった。反して、近代市民社会は、個々人が自主独立の気概を持ち、且つ、それぞれが市民社会における主権者であるとの自覚を持っている、有産市民階級たるブルジョアジーによって形成された資本制社会である。
(2)近代市民法とは何か
フランス革命において上述の封建制はなくなり、「人および市民の権利宣言」(1789年)やアダムスミスの「自由主義経済理論」、「Laisser Faire」という国家権力の排除と私的自治の原則の提唱を経て、近代市民社会が形成されていった。近代市民法は、フランス民法典及びこれを範として制定された諸国の民法典であり、法実証主義が賛美する実定法体系である。
2.近代市民法の規範原理
近代市民法は「所有権絶対の原則」、「契約自由の原則」、「過失責任の原則...