「ユネスコにおける生涯教育論の提起と社会的背景、
及びその後の生涯学習論の展開について論述せよ。」
人間の生き方としての生涯教育は、教育または学習を生涯にわたって続けるものであり、人格の完成をめざすことに重点を置いていた。これは、一部の恵まれた境遇にある人たちがなしうるものであり、現在のようなすべての人に対するものではなかった。
その後、1700年代にコンドルセは、学校教育終了後もすべての年齢にわたって教育が行われるべきだと主張し、生涯を通じて公教育を継続していくことの必要性を提唱した。また、学校の開放や図書館の整備、文化活動の奨励など社会教育を充実させるべきであるとした。
1900年代に入り、成人教育学者らによる生涯教育論が活発になり、ユネスコにおいて1949年に第1回国際成人教育会議が開かれた。そして、生涯教育という言葉が世界的に注目されることになったのは、1965年12月にパリでユネスコ本部が開催した「成人教育推進国際委員会」において教育局継続教育部長をしていたポール・ラングランらがワーキング・ペーパー「永久教育」によって、生涯教育の理念を提唱してからである。
この提唱は、それま...