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環境による保育について
1.はじめに
人間の発達を考える場合、常にその要因の一つとして「環境」ということが挙げられ、人間と環境との関係が問われてきた。古くは「遺伝か環境か」という論争から、やがて「遺伝も環境も」という考え方に変わり、今日では人間の発達は「個体と環境との相互作用の過程」として捉えられている。
本課題では、「幼稚園教育要領解説」から幼児にとっての環境とは何かを考え、保育者の関わり方についても言及していきたい。
2.幼児にとっての環境
幼児にとっての環境とは、園具や遊具などの物的なものから共に園生活をする幼児や保育者などの人々、幼児が接する自然や社会の事象、それらがかもし出す雰囲気、時間、空間など幼児を取り巻く全てを指している。幼児期は、生活の中から生じる興味や欲求に基づいた経験を通して人間形成の基礎を培っていく。そのためには、幼児が自分から興味や関心を持って環境と関わり、様々な遊びを展開していけるような環境を用意していくことが必要である。
保育室は、幼児が様々な活動を展開する中心的場所であり、園生活の拠点である。保育室は、採光・照明が十分であり、クラスの全幼児の活...