カウンセリングマインドを活かした対人コミュニケーションについて論じている。
相手を理解する上で前提として考えなければならないことは、それが非常に困難であるということだ。なぜなら、人は自分本位であり変化しやすく、長所や短所をそれぞれが持ち合わせているからだ。そのような人を、人が最初から理解できるのは不可能である。しかし、それは相手を「知る」ことによって少しずつ理解していくことができると思う。これを対人認知というが、それは外見、地位、職業、関心事、生育環境、価値観などにより、徐々に相手のことを理解していくことができるのである。そこで注意しなければならないのが、認知的錯覚と呼ばれる、人を理解する際の壁である。これは誤解しやすく、また自分自身も誤解を招きかねない事である。いくつかあるのだが、私が特に注意しなければならないと考えたのは、論理的錯誤である。やはりどうしても「引きこもりの経験があるような人は、人間としてダメなのだ」というように、先入観がはたらいてしまうからである。人と関わる時にはカタにはめず、その人自身の状態を理解しようと心がけていきたいと思う。
次に、人と関わる上での基本姿勢として受容と共感が挙げられる。つまり、相手の存在を認めていくことである。人と話し...