儒教の根付く韓国におけるプロテスタント教会がどのように追悼式を行っているかについて論じている。
韓国プロテスタント教会では、伝来初期から伝統的な忌祭祀を否定することを原則としている。だからといって既存の忌祭祀と完全に断絶したかといえば、そうではない。名称と形式は違うが、「追悼式」または「追悼礼拝」という名で、ほとんどの家庭で行われているからである。現在の韓国プロテスタントの追悼式は既存の忌祭祀文化と慣例して形成された儀礼だといえる。
では、韓国プロテスタントの追悼式と伝統忌祭祀の違いは何だろうか。
まず名称が違う。伝統的な儒教式の祭祀は「忌祭祀」または「忌日祭祀」「祭祀」と呼ぶが、プロテスタントでは「追悼式」あるいは「追悼礼拝」と呼ぶのが一般的である。
次に女性も同等に参加する。伝統的な忌祭祀の場合には、いまだに男性がその主体として参加し、女性は祭物を準備し補給する手伝いの役割をするのが一般的なのに対し、キリスト教の追悼式では男女全員が同じ席に付き、始まりから終わりまで一緒に行う。
そして、故人に捧げるのではなく、あくまで神に捧げるのであり、さまざまな手順がなかったり、違ったりする。その一つ目は、位牌などがなく、その代わりに故人の写真を置いて行ったり、何もないまま行ったりもする...