進む業界再編、OTC専門企業が生き残るためには
第1章
製薬業界の現状
急速に進む少子高齢化や経済の低成長への移行、国民生活や意識の変化など大きな環境変化に直面しており、国民皆保険を堅持し、医療制度を将来にわたり持続可能なものにしていくため、医療制度の抜本的な改革が進められようとしている。この改革の一環として、薬価引き下げ、医療費抑制、OTC薬(Over The Counter Drugの略、以後OTC薬とする。)の販売方法の改正などが行われている。この国の動きに加え、外資系企業の日本市場参入が激化し、日本の製薬業界は生き残りをかけての大規模な業界再編が進んでいる。その動きの例として、大手企業間での合併が相次いでいる。これは図表1-1(国内の業界再編の動き)からも明らかである。さらに、より利益率を上げるために医療用医薬品を主に扱う企業のOTC部門を切り離し独立させるといった戦略も目立
ってきた。これらの動きにより、今後、製薬業界は4つのタイプに分化していくと考えられる。この4つのタイプとは、世界に革新的な医薬品を常に発信していく「メガファーマ」、1つの分野において世界的なシェア...