★道徳教育の意義
私たち人間は、人と人の間に生きている社会的存在である。日常において人が人の社会の中で生きていくためには、好き勝手に生きるのではなく、ある程度自己の行動を制約するといった社会的規範が必要となる。つまり、「人間はいかにして生きるべきか」という課題を実現させるために、行動の規範を求める世界、すなわち道徳が求められる。
しかし、人間は生まれた瞬間から道徳的に生きることを意識することはできない。教育を受けることにより人間になるという人間形成の性質上、人間になるための教育が道徳であり、真に人間らしい人間が理想であるからこそ、実現のため必然的に道徳教育が必要となる。
道徳教育は、さまざまな現実の中で多様な関わり合いを持ち、人の間に生きる上でどう行動すべきか、ということを自分の力で考え判断するといった実践を通して行われる人間育成である。
★道徳教育の必要性
道徳教育の必要性については2つの視点から捉えられる。第一の視点は、本来的必要性。出生時かなり未熟な状態で生まれてくる人は、周囲の人間により保護という形の教育を受ける。この保護的教育により人が他者と自己の欲求の調整を行い...