東ローマ帝国は、コンスタンティヌス大帝(274-337、在位324-337)によって名を取った首都コンスタンティノポリス開都に始まり、オスマントルコのスルタン・メフメト2世の攻撃に敗れ、トルコ領となるまで1000年以上続いた国である。この首都コンスタンティノポリスは、ギリシャ語でビザンティオン(Byzantion)、ラテン語でビザンティウム(Byzantium)と呼ばれていたが、時の皇帝の名にちなんでコンスタンティノポリス(ラテン語)コンスタンティノープル(英語)となったのである。この地の歴史は古く、紀元前3000年頃の考古学的遺物から人跡も見られ、都市の建設は紀元前650年頃ギリシャのメガラ人よって行われ、メガラの植民地建設者、王ビザンタスの名がこの都市の名ビザンティオンとして残ったのである。当時は、今日のトルコ、ギリシャ、アルバニア、ブルガリア、ユーゴスラヴィアを大体の地域としたキリスト教の国であった。政治・経済制度はローマ帝国の伝統を継承し、文化的にはギリシャ・ヘレニズムを受け、宗教は建国の時にすでにキリスト教を国教としていた。公用語は当初ラテン語が使われたが、次第にギリシャ語が...