安全に関する学習指導上に占める「体育」の重要性について述べよ。
2002年度に改訂された学習指導要領において、体育科の目標は「心と体を一体としてとらえ、適切な運動の経験と健康・安全についての理解を通して、運動に親しむ資質や能力を育てるとともに、健康の保持増進と体力の向上を図り、楽しく明るい生活を営む態度を育てる」と示されている。この中で「健康・安全についての理解」という項目を具体的に見ると、健康な生活、体の発育・発達、けがの防止、心の健康及び病気の予防についての基礎的・基本的な内容を、簡単な作業や実習を取り入れながら実践的に理解することとある。このことは、単に知識や記憶としてとどめるだけではなく、児童が、身近な生活における課題を発見し、解決する過程を通して、健康・安全の大切さに気づくことなどを含んでおり、単なる知識伝達や能力指導ではなく、子どもの主体的な態度の育成や、人間として生きていくうえで必要な基本的能力の育成にも目を向けた教育だということにも注意しておかなければならない。こうした体育科の目標を前提とし、実際に安全教育における体育の重要性について見ていく。
事故や災害によって人が受...