現在は情報社会さらには知識社会と呼ばれているが、その社会にあっては知識を扱う教育はきわめて重要である。基礎基本の学力と教育格差と経済格差との関連について論ぜよ。また格差問題を解決するうえで教育方法はどのようにあるべきか。
IFA(国際教育到達度評価学会)が、これまで世界の子どもたちを対象に行ってきた数学と理科の教育調査、また2002年に文部省から公表された「全国一斉学力テスト(教育課程実施状況調査)」の分析結果で、国際的にも国内で見ても、子どもたちの学力低下が確実に起こっていることが分かる。その原因は学習意欲で、子供たちの勉強への意欲は年々落ち込んでいる。そして2003年度からスタートした新教育課程で、完全週休5日制となり、学校での授業時間が削減されたいわゆる「ゆとり教育」は基礎学力の低下に拍車をかけた。少子化のもと、高校や大学の受験は易しくなり、教師や親から勉強を促すプレッシャーも低下し、それに加えて「ゆとり教育」の名のもと、教師が宿題もあまり出さなくなってしまったため、学校外での学習時間が減少し、子どもたちは余った時間をテレビ・パソコン・携帯電話・ゲームなどに熱中して過ごしている...