法の下の平等について
憲法一四条は、その一項で「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない』として、一般的に平等原則を定めたうえで、二項および三項で、貴族制度の廃止と栄典授与に特権が伴わないことを定めています。さらに、憲法二十四条では家族生活における男女の平等を、二十六条では教育の機会均等を定めるとともに、十五条三項と四十四条では選挙権の平等を定め、平等原則を徹底化しています。この法の下の平等について、シラバスの留意点に沿って、それぞれ述べようと思う。
①自由と平等について
すべての人は平等であり、差別やひいきはいけないという考え方は、誰もが認める真理の1つである。しかしながら、現実にはそれぞれの人間には個性があり、それによって社会から受ける権利やさまざまな利益など、他者とは異なった扱いを受け、異なった人生を送っている。
多くの哲学者や政治学者たちは、社会の中での人々の不平等を是正しようと試みてきた。古くはアリストテレスが正義論の中で平等思想を説き、中世ヨーロッパではキリスト教の教えの中で、すべ...