『平成20年度版学習指導要領における社会科改訂の趣旨と要点を、これまでの学習指導要領に基づく指導上の課題や生徒の実態、社会の要請などの関連から考察しなさい』
○生徒の実態と課題
OECDのPISA調査などから、我が国の児童生徒には、大きく分けて次の3つの課題が見られる。
1、思考力、判断力、表現力等を問う読解力や記述式問題、知識・技能を活用する問題に課題。
2、読解力で成績分布の分散が拡大しており、その背景には過程での学習時間などの学習意欲、学習習慣、生活習慣に課題。
3、自分への自身の欠如や自らの将来への不安、体力の低下といった課題。
このような状況や21世紀は変化の激しい社会であることから、確かな学力、豊かな心、健やかな体の調和を重視する「生きる力」をはぐくむことがますます重要になってくるという見解が示された。そして、教育基本法や学校教育法の改正や上記のような児童生徒の実態や課題をふまえて、学習指導要領の改訂が行われた。
それでは、改訂の趣旨と要点をまずは社会科全体、次に地理的分野、歴史的分野、最後に公民的分野の順に考察していくことにしたい。
○社会科改訂の趣旨と要点
①基礎...