『エドガー・アラン・ポーとマーク・トウェイン
について述べよ。』
エドガー・アラン・ポー(1809~1849)は、その波乱に満ちた短い生涯の中で、数多くの編集業をこなす傍ら、短編小説、詩、評論の3分野で多大なる業績を残した。
ポーの短編小説のほとんどは雑誌に寄稿されたもので、『怪奇幻想物語集』(1840)と『短編集』(1845)にまとめられている。恐怖感を狙った作品『アッシャー家の崩壊』(1839)では、旧友を訪ねた男の、その旧友の住む不気味な館で次々に起こる不思議な出来事が、ゴシック小説風に描かれている。この作品は、現実と幻想の交錯する中で、激しい恐怖の効果を狙ったものであり、ポーの代表作の一つである。同じく恐怖ものを描いた『黒猫』(1843)は、ある猫のために悪事が露見する男の心理描写とともに、完全犯罪をもくろんだ犯人の思いがけないミスから犯行が露見してしまうという推理小説的要素も含んだゴシック風小説である。人間の奥底に潜む憎悪や残虐な面をもとに次第に荒んでいく人間の心理を、グロテスクな黒猫の姿に象徴し、良心の悩みや恐怖を描こうとしたものであり、ポーの作品の中でも最もよく読まれ...