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生活科の目標に目を向けると、総合性、活動性などの基本原理を指摘することができる。また、生活科の指導計画や実際の指導について考えるとき、そこには、直接的、体得的などの指導原理を見つけることができる。そこで、生活科の指導原理について考察していく。
(1) 具体的・直接的指導
具体的指導とは、児童が直観的な把握が可能なように、学習対象が姿、形を備えているようにし、児童の働きかけがしやすいようにするものである。また、直接的指導とは、書物や図鑑、写真や映像のようなものに頼るのではなく、できるだけ具体物や実物に触れさせていくような指導である。
指導の工夫として、低学年児童に適合した具体的な課題をもたせていくことが考えられる。生活科は身近な環境を学習対象とするため、必ずしも新しいもの、未知なものばかりを選択できないこともある。そこで身近なもので既に知っていること、日常体験していることでも教材に新鮮なイメージをもたせる工夫によって、魅力的なものにしたい。魅力的な教材選択の基本は、具体的なもの、直接体験できるものといえる。例として、スーパーマーケットに出かけたり、直接乗り物を利用する学習など...