尾高邦雄は、職業を「社会」と個人をつなぐ接点であり、「個性を発揮、役割の実現および生計の維持を目指す人間の継続的な人間活動である」と規定している。「職」は役目であり分担でありそれにふさわしい能力、権限、職分、天職を表わし、「業」は生業としての職業、すなわち金銭収入を得ることを目的とした労働のことであるとも、尾高は解説している。人間が社会生活を営むには、職業を持つことが必要不可欠であると私も考える。
各人が望む環境で働けることが理想ではあるが、実際にはそのようにはいかない。なぜなら、企業活動において製品や目的物の仕上がりは重要な要素であり、その質・量は労働者の質に左右されるからである。何らかの理由により職業を得られにくい人々のために、就労支援制度がある。
障害者の就労については、障害者自立支援法において、福祉的就労から一般就労への移行を支援する取り組みが高まりを見せている。同法におけるサービス体系は、大きく分けて「日中活動支援」と「居住支援」がある。そのうち、就労移行支援、就労継続支援(A型・B型)の3つの類型が就労支援サービスにあたる。
就労移行支援事業では、事業所は対象者に...