相談援助の重要な原則に「バイステックの7原則」がある。これは、アメリカの社会福祉学者であるフェリクス・バイステックが示した、ケースワーク(個別援助)における援助関係の原則である。援助者と利用者の間に望ましい信頼関係を築くために、援助者がとるべき基本的態度が示されている。
以下にこれら7つの原則を説明する。
①個別化の原則
利用者の抱える問題は、その人によって唯一無二の個別的なもので、援助者は利用者の問題状況に応じて個別的な対応をすることが必要となる、という考え方である。これが認識されていないと、サービス提供方法が定型化し、個人としてよりタイプ別に相手を考える視点で支援パターンを決定してしまうことになる。その結果、相手にあった支援が行えなくなる恐れが出てくる。
②自己決定の原則
問題解決の主体や自らの行動を決定するのは利用者であるとする考え方である。問題解決の方策についてメリットとデメリットを検討し、自己決定に至る過程を一緒に辿る中で、様々な選択肢を用意する等して自己決定の条件整備を行うと共に、利用者の成長と今後起こりうる同様のケースにおける利用者自身での解決を目指す。ここで言う自己決定...