(1)算数科の学習指導では、新しい知識や技能、数学的な考え方は問題解決を通して学習されることが多い。そして、授業も問題解決の段階を踏んで展開される場合が多い。問題解決学習とは、児童が自主的、能動的に取り組み、その過程で数学的思考や手法を学びとる学習法である。児童に問題解決をさせるということは、児童に直面している問題を解決させるだけではなく、その問題や解決の過程を通し「考えること」を学ばせ、「いかに困難を乗り越えるか」「根拠をもって筋道立てて解決する方法」などを学ばせ、そこにある努力の結果や苦しみ、喜びを実感させることである。自力で解決する喜びによって自信が生まれ、よりよい解決方法に感動し、学ぶ楽しさを体験することができ、学び方を習得できるのである。
問題解決の過程で重要な役割を果たしているのが、数学的な考え方である。問題を解決するために、どのような数学的アイデアが有効か、どのような方法が適切か、といった判断を迫られる場面で使われる考え方である。
以上を踏まえると、数学的な考え方とは、児童が既習事項を組み合わせたり、身につけた算数の学び方を使って、新しい問題を解決したり、概念を形...