本論文では、日本国憲法における二院制の特徴について論じる。まず日本の特徴を明確にするため、諸外国の二院制との違いについて論じ、次に日本の二院制の特徴である衆議院と参議院の制度について論じる。
二院制と一言でいっても各国によって内容が異なる。二院制については各国の政治の歴史や目的や様々な形になっているためだ。二院制は大きく分けて「貴族院型」「連邦型」「特に差異のない二院制」の三つに分けられる。日本の特徴を明確にするため、上記に記した二院制の特徴について論じる。
まず「貴族院型」の代表はイギリスであり、貴族院と庶民院で構成されている。イギリスは、庶民院の優越が確立されていて政治の実権を握っている。貴族院の実質的な議決権はあまりなく、名目的存在となっている。貴族院議員は世襲貴族、一代貴族、法服貴族、聖職貴族から構成され、庶民院議員の大半は選挙から選ばれた者で構成されている。内閣不信任を出せるのは庶民院のみからであり、議会で可決された法案は庶民院の優越により貴族院が可決・修正しても庶民院が可決していれば庶民院案が通ることが定められていて、庶民院の優越が確立されているのが特徴である。
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