「美術嫌いになる原因を具体的事例からさぐり、楽しい・わかる・できる授業を通して好きにさせるための手立てを、学習指導要領の目標及び内容・方法と関連づけて述べなさい。」
美術教育の内容は、美術の教育と美術による教育が考えられる。学習指導要領の図画工作の目標には、「表現及び鑑賞の活動を通して、つくりだす喜びを味わうようにするとともに造形的な創造活動の基礎的な能力を育て、豊かな情操を養う。」と記されている。美術教育は決して基礎的な能力(技術の訓練)をつけることや知識の記憶だけが目的ではない。確かにこのことも必要ではあるが、それと同時につくりだす喜び(情意的側面)を感じることが必要なのだ。
小学校の低学年の児童に「お絵かきするのが好きな人」と聞くとほとんどが「好き」と答える。しかし、同じ質問を大人にしてもほとんどの人が「好き」と答えないだろう。少なくとも、小、中学校の9年間は美術教育を受けてきているにもかかわらず、美術に対する興味・関心はそれほど育っていないのが実態である。むしろ嫌いという人も少なくない。これまでの美術教育では美術が好きという気持ちが育まれていないということがよくわかる。
美術...