人間の発達と学習第1分冊

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    人間の発達と学

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     スイスの生物学者ポルトマンは、人間が母親のお腹の中から生まれてくる時期が約1年早いと考え、それを「生理的早産」と呼んだ。人間は未完成の状態で生まれてくるため、かえって生後の発達の可能性が大きいと言える。これは、人間特有の「教育」や「学習」を行う要因ともなっている。
    学習は人間が生きていくために必要な作業であり、重要な特徴は社会性にある。人間は生まれたときから文化・社会の一員として扱われるため、対人関係の技能を含む様々な行動様式を学習しなければならないのだ。社会性を学習する上で、ある種の障害になってくるのが、どの人間にも必ず存在する「自我」というものである。人間は自我と社会性の狭間で大きく揺れ動き、学習し、社会性を身につけていく。その自我と社会性の間に挟まれる時期の一つが学童期である。学童期という子どもにとって重要な時期に、学校では知識のみならず、社会性という対人関係の技能を子どもに考えさせ、習得させる、極めて重要な指導が求められる。
    学童期とは、発達段階の区分から小学生の時期のことを指している。この時期は、行動と好奇心が外界へ向かう異化相の時期であり、子どもは今まで以上に周りの人々や...

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