資料:2件
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熱電対の較正
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1.実験目的
三種類の金属の組み合わせによって作られる三種類の熱電対について、それぞれの熱起電力の温度特性を調べ、熱電対の起電力について考察する。また、本実験を通して熱力学に対する理解を深め、今後の講義に生かしていけるようにする。そして、工学の分野への応用性などを考え、理学の工学への応用について、考える力の基礎を身に付ける。
2.実験の原理
図1のように、種類の異なる2本の金属線を接合して閉回路を作り2つの接合点に温度差を与えると、回路に起電力が生じて電流が流れる。この現象をゼーベック効果といい、このとき流れる電流を熱電流、生じた起電力を熱起電力という。熱起電力は2つの金属線の種類と両端の接合点の温度だけで定まり、金属線の長さや太さ、及び金属線の途中の温度分布には無関係である。この金属線の対のことを熱電対という。
熱電対の一方の接合点の温度θ0を一定に保ち、他の接合点の温度を1℃変化させたときの熱起電力の変化の割合を熱電能Sとよび、温度の1次式で表わされる。すなわち
(α,β;定数) (1)
(1)式をθ について積分すると
(2)θ0がOのとき、(2)式は
(3) となり,起電力Eと温度差θとの関係は図2のような二次曲線(放物線)になる。(3)式よりθ=-a /b のとき、Eは極大になり、SはOとなる。この温度のことを中立温度という。しかしこの極大値附近の温度では、起電力の温度に対する変化が小さいので温度起電力測定の使用範囲としては不適当である。通常、熱電対の起電力と温度差との関係が、ほぼ直線的な温度範囲が利用される。
熱起電力Eの測定は普通ミリボルトメータが用いられるが、高精度を要する場合は電位差計が用いられる。熱電対とミリボルトメータを組合わせたものを熱電温度計という。
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