ロストジェネレーションの作家について具体的に作品をとりあげて述べよ。
「ロストジェネレーション」という言葉はガートルード・スタインが、アーネスト・ヘミングェイに向かって語った言葉を、彼が『日はまた昇る』(The Sun Also Rise,1926)で用いたことがきっかけで知られるようになった。「ロストジェネレーション」とは、青春時代を第一次世界大戦で過ごし、その戦争体験から従来の価値観に対して懐疑的になり、アメリカに帰った後、再びヨーロッパに渡った人物たちのことを言う。そして、そういう人物たちを描いた作家をロストジェネレーション作家と言った。ロストジェネレーション作家の代表的な人物として、ジョン・ドス・パソス、スコット・フィッツジェラルド、ウィリアム・フォークナー、アーネスト・ヘミングウェイらがいる。
ジョン・ドス・パソスは幼い頃、親の事情でアメリカ大陸とヨーロッパを転々とした生活をしていた。大学を卒業後、第一次世界大戦への参戦を望むが父親の反対にあい断念するが、父親が亡くなった後、野戦衛生隊としてフランスに参戦することになる。その後、ヘミングウェイもいたことのあるイタリアの赤十字...