教育心理研究法4

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    事例研究が心理学研究法として成立するための条件

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     事例研究が心理学研究として成立するためには、その仮説が単にたまたま1つの事例で有効であったというのではなく、他の事例を理解する上でも有効な視点を提供することを示さなければならない。つまり、事例研究が心理学研究法として成立するためには、個別事例について具体的な研究から仮説を生成し、さらにその仮説の一般的有効性を明らかにしていく作業が必要となる。
     事例研究が研究法として意味を持つ条件として、①新しい技法の提示、②新しい理論や見解の提示、③治療困難とされるものの治療記録、④現行学説への挑戦、⑤特異例の紹介、といったものがあげられている。しかし、それが心理学研究法として成立するためには、事例の記述と分析を通して何らかの抽象的な仮説やモデルを構成し、しかもそれを読者に納得させる方法論にもとづいて提示しなければならない。
     このように事例研究が心理学研究法として成立するためには、まず研究として選択した事例の位置づけを明確にしておくことが必要となる。
    事例研究の定義は「事例研究とは、特殊と考える事例、あるいはある意図をもって試みた事例を詳細に記述説明した上で、その事例の根拠に推論する研究である。...

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