児童の思考の過程を大切にした学習過程論として、デューイの学習過程論がある。デューイは知識中心ではなく、児童の興味・関心を中軸とする経験カリキュラムこそ大切であると考えた。さらにデューイは、問題解決学習の重要性を論じている。学習とは与えられるものではなく、自ら学びたいという意欲を持ったときに始まるのである。デューイの問題解決学習では、学習過程を設定し学習のポイントを授業毎に絞ってわかりやすくしている。まず(1)「困難点の漠然たる自覚の段階」であり、これは問題に気づく段階である。(2)は「困難点の明確化の段階」である。これは、問題そのもののもつ性質を明らかにしていく段階であり、問題を明確に把握する段階である。(3)は「問題解決の仮説、予想を立てる段階」である。これは、問題を解決するための予想、推察、仮説に思いをめぐらす段階である。(4)は「仮説を推理によって検討する段階」である。これは、想定した解決法の結果を頭の中で論理づけながら最もふさわしい解決法を選び出す段階である。(5)「観察した実験行動によって仮説を検証し、結論を見いだす段階」であり、多様な方法を用いて、観察・実験的に吟味して、仮...